本年度の輔教志願者講習会を平成27年8月22、23日、本部総合庁舎会議室で開催した。輔教制度は平成4年に発足し、現在、540教会、1758人が輔教としてご用に当たっている。
今年は、34教会47人が受講し、各講義をとおして輔教に求められる事柄を学び、初の試みとして、先輩輔教の実践発表を行った。班別懇談では参加者同士、これまでの取り組みやここからの願いについて語り合った。
なお、このたびの修了者は所定の手続きを経て、来る12月の布教功労者報徳祭並びに金光真心高清姫百年祭時に教主金光様からご任命を受ける。
目次
教務総長挨拶
今年は戦後70年、被爆70年を迎える。戦後の教団は、一人ひとりの信心生活の拡充・展開をもって、世界の平和と人類の助かりに向けて貢献していきたいという願いのもと再出発し、70年間おかげを頂いてきている。
その願いを新たに、戦後、被爆後の先生方の歩みを拝読するなかで、「天地は生きておる。我も共に生きん」というお言葉に出会った。これは広島教会佐藤盛雄先生が被爆され、教会復興のなかで、ご自身の心に頂かれたお言葉として私どもに伝えてくださった。
昭和20年8月6日、人類史上初めて原爆が広島に投下され、当時の推計で12万人の方が亡くなり、8万人の方が負傷、被爆した。当時、広島市には11教会あり、そのうち1教会だけ半壊で建物が残った。広島教会は他の教会と同様、全壊全焼。盛雄先生は当時30歳、奥様は22歳、1歳の娘さんと先代の奥様がおられた。奥様は散髪屋で被爆され、盛雄先生は市内で被爆された。4日後に教会の跡地へ行くと、先代の奥様が焼けて白骨化していた。お広前でご祈念をしながら被爆されたのであった。
奥様とは、「何かあった時は宮島の信者さんの所で落ち合おう」と決めていたので、お骨を持って行った。無事再会できたが、長いこと信者さんの家にお世話になる訳にいかず、盛雄先生の里である芸備教会へ奥様と娘さんを連れて行かれた。ご自身は兵役があったため、すぐに市内に戻り、救援活動を続けられた。8月20日に兵役が解除され、8月末に芸備教会へ帰った。そこでは、奥様が原爆症で髪の毛が全て抜け、危篤状態が続いており、そのなかを三代金光様、芸備初代お広前先生である佐藤テル先生のご祈念を頂き、奇跡的に回復をしていたことを初めて知った。お広前先生にお取次を願われたところ、「難儀な氏子の願い礼場所とあるお広前はすぐにでも復活、復興させてもらわねばならん。多くの霊(みたま)様がおられるのであるから、その霊様の立ち行きを広島のお広前に帰って、願わせてもらわねばならん。早く行け」と言われた。ご自身からすれば、被爆後、一生懸命救援活動し、帰ってくると奥様が本調子ではないのにそのように仰せられ、「何の力も徳も、財産も無い私が広島に帰って、一体何ができるのか」とずっと煩悶なさったが、「お広前先生があのように仰せられるのは、お一人の考えでは無いだろう。神様がおぼしめしておられるのだ」と思えてきた。もう一度お取次を頂かれ、9月3日には広島へ出られた。
教会の跡地に着いたものの、これからどうしたらいいか全くわからないと思いながら寝ていると、空には星が輝いている。それをじっと見ているなかでハッと頂かれたのが、「天地は生きておる。我も共に生きん」という思いであり、そこから心が元気になってきた。翌日から、1畳がご神前、1畳が台所、1畳が居間の3畳分建てのバラックを建て、ポールを立てて教旗をたなびかせた。しかし、「さあこれからだ」と意気込んだのは覚えているが、どのように復興していったかは覚えていないそうである。振り返られて、「幸い祖母の強い祈りによって、引き立てられ、導かれてあの原爆の時に、私たち人間と共に神様も災害にお遭いなされて、われわれの苦しみのなかに、神様も共に取り込んでくださる。そして現在、共に苦しんでくださり、共に立ち上がろうとしてくださり、常にお守りくださることを実感させていただきます」とおっしゃっている。
私はこのみ心、この実感がお道の信心であるとあらためて思わせていただいた。というのは、盛雄先生だけではなく、まさに教祖様が最初に、「天地は生きておる。我も共に生きん」と出発をなさった。どんな困難に出会おうとも、必ず神様が道を付けてくださるとご信心を進め、「難儀な氏子を取次ぎ助けてやってくれ」という神様のお頼みを受け、お広前を開かれた。その教祖様のお取次を頂かれ、各地の直信先覚の先生方も同様のご信心をもっておかげを頂かれた。そのおはたらきのなかで、盛雄先生の実感があると気づかせていただいた。そこを求めねばならない。もちろん困難とは、人や状況によってさまざまであるが、その問題に出会った時に、ご信心のなかでおかげを頂いてきているお互いである。このお道の大切なところを求め、生まれてくるおかげの事実やありがたさが、私たちのご用の基本になっていかなければとの思いを新たにしている。
ここからしっかりと神様にお喜びいただき、世界の平和と人類の助かりに貢献できるような一人ひとりでありたい。天地の間、生きた神様に抱かれている。このことを知らないのと、知っているのとでは大きく違う。知った上で、大切なところを確認し、いっそうにおかげを頂いて、ありがたいご用にならせていただきたいと願う。
(大要)
講義・発表内容
講義1◆「金光教の信心について」
講師・菊川信生師(熊本・江田)
ここから輔教としてご用を担うに当たり、あらためて本教の信心とは、神様に願われていることとはどのようなものかを確認した。
講義2◆「教団の仕組みと働きについて」
講師・吉川真司師(徳島・二軒屋)
教団の目的や諸活動、神願成就の拠点である教会の働き、またそのなかで金光様のお手代わりとして輔教のご用を担うことについて学んだ。
講義3◆「輔教の役割について」
講師・河井真弓師(東京・中野)
講義1、講義2を踏まえて、輔教の意義や役割を確認するとともに、「お道のために」と願い、輔教として取り組むべき内容について学んだ。
実践発表
発表者・辻德子氏(岡山・本部)
先輩輔教から活動の実際や、お役に立ちたいとの願いをもっての具体的な取り組みを聞き、今後の参考、励みとした。
班別懇談
参加者それぞれが、本教の信心について、日頃問題にしていることや、受講した講義を手がかりに、今後、輔教として取り組みたい活動などについて話し合い、決意を新たにした。